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南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

2016-02-11 08:25:02 アルゼンチン : メンドーサ

オラ


今まで、どんなにリアルタイムの旅とブログが乖離しようとも順番通りに記事を書いてきた。
それを自分ルールにしてきた。
自分ルールを破るのは好きじゃないが、今回は、今回だけは、順番を無視して直近の出来事を書くことにする。
少しでも早く書きたい理由があるからだ。




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やってきたのはメンドーサ。アルゼンチンの西部、チリとの国境にほど近いアンデス山脈の麓に位置する町だ。
アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで2016年を迎えた俺は他の町には目もくれず、16時間のバスに揺られまっすぐにメンドーサを目指した。
なんてことないこの距離に支払ったバス代が8000円ほどだったことに目が飛び出たのは、アルゼンチンを訪れたことのある旅人なら誰しもが経験していることだろう。
アルゼンチンはバスがとにかく高い。南米で物価が高い国といえば、ブラジル、アルゼンチン、チリが挙げられるが、ブラジルとアルゼンチンは突出してバス代が高い。
ブエノスアイレスのバスターミナルには100以上のチケットカウンターがずらりと並んでおり、隅から隅まで値段を聞いて回り見つけた最安値がこの値段である。
飛行機に乗るのとそんなに変わらない程だ。
南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜


その分、セミカマ(準ベッド)と言われる一番安い席でも、シートはかなり柔らかく、かなりの角度リクライニング可能で広い。
この上なく熟睡できた数少ないバスの一つに数えられる。


Buenos Aires → Mendoza 856ペソ 20:00〜翌12:00









バスから窓の外に流れる月明かりに照らされた大地を見ながら、これから立ち向かう挑戦に対して身を震わせた。







メンドーサに着いたのは出発翌日の昼下がり。
汗ばむほどの陽気に包まれる新年というのは人生で初めての経験だ。
メンドーサは、歩いて中心部を一周できてしまうほどの規模の、丁度良いサイズ感である。
道を覆う並木の隙間からこぼれ落ちる日差しが降り注ぐ通りは、到着してまだ30分の自分にこの町の穏やかな空気の流れを感じさせるのに充分な心地よさがにじみ出ていた。
南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

バスターミナルから20分ほど歩き、目星をつけていたホステルへ。
この町で泊まった宿はIndependencia Hostel。町の中心部に位置するインデペンデンシア広場の真横のこの宿は、ワインがタダで飲み放題というとてもとてもとても良いサービスがあるのだが、また泊まりたいかと言われると、、、、、のような宿。
その理由は後ほど。

Independencia Hostel 130ペソ(10ベッドドーム)




アフリカの旅を終えアルゼンチンに入ってから、信じられないくらいに町の心地よさを感じている。
南部アフリカはまだヨーロッパの雰囲気を持つ洗練された町ではあったが、やはりそれまでの西アフリカ諸国の過酷さがまだ尾を引いているのだろう。
町を”楽しむ”という感覚が、また、外を散歩することが娯楽になるということが半ば奇跡に近いもののように感じられる。
しばらく忘れていた旅の感覚が身体中に染み渡っていくのを感じた。

南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

さて、ここメンドーサに来た目的は、こののどかな町で久しぶりに思い出した旅の気持ち良さを感じながらゆったりとした時間を過ごすためではない。
メンドーサをワインの町たらしめる、近郊に点在するワイナリーを巡るためでもない。

西側の空に、町を見下ろすようにして連なるアンデス山脈。

南北8500kmにも及ぶこの山脈で最も高い山、南米大陸最高峰、6962mのアコンカグアに挑戦するためだ。


目指すのはもちろん、6962mの頂上だ。



南米最高峰の山に登るなんて夢のまた夢だと思っていた。
この山を初めて意識したのはさかのぼること一年以上前。
ネパール・エベレストトレッキングで、人生の最高標高5360mに到達した時。
約二週間かけて遂行したトレッキングで、山の美しさ、神々しさ、辛い行程を乗り越えた先にある言葉にできないほどの見たこともない景色、山での人々との出会い、感動したことも辛いことも含め、山で体験した全てのことに魅せられてから、さらなる高み(物理的な意味でも精神的な意味でも)を目指したいと思っていた。
当時、「いや〜、じゃあ次はアコンカグアに挑戦かなー!!笑」とノリで言っていたのを覚えているが、その時に書いていた日記を見返すと何回も出てくる「アコンカグア」の文字。
実際登れるとは思っていないながらにアコンカグアへの思いは強かったようだ。

アコンカグアに登る具体的な構想もないままネパール以降の旅を続けていた。

ほぼ7000mの山。その頂上に立つなんてプロの登山家じゃないと無理だろう。あのイモトも登頂を断念した山だ。たかがヒマラヤトレッキングでできる気になった素人が登れる山ではない。
そんな思いから、アコンカグア登山に本気になれなかった。
それでも頭のどこかで、アコンカグアへの憧れは常にあった。


時は2015年夏。
モロッコで、来たる西アフリカの旅をまさにこれから実行しようとしていた時にある日本人に出会った。
なんとその半年前にアコンカグアに登頂した、同じく世界一周をしているバックパッカーだ。






俺の中で何かが弾けた。





プロの登山家じゃなくても登れる。登頂できる。
あのアコンカグアに挑戦できる。
うやむやになりかけていた心に火がついた。
これから西アフリカの旅を始めるあの時の俺にとって、簡単には成し遂げられないことへの挑戦というのは旅をする最も大きな意味の一つになっていた。

俺にしかできない旅をしよう。

常にこの思いを持ちながら旅をしてきた俺に、アコンカグアに挑戦しない選択肢はなかった。


アコンカグアに登る思いを固めることができた出会いをしたのが6月。
アコンカグアのハイシーズンは12月から1月。ちょうど半年後である。
ということはアフリカを半年で縦断し、年末にアルゼンチンに飛べば、アコンカグアの登山シーズンにぴたりと合わせることができる。

この瞬間にこれから始まる西アフリカの日程が決定した。タイムリミットは年末。年末までにモロッコから南アフリカまでたどり着き、1月にアコンカグアに挑戦する。
照準はアコンカグアに合わせた。




半年前の決定通り、年末にアルゼンチンに降り立ち、1月に入った今、アコンカグアに登るためにやってきた町がここメンドーサだ。
このゆっくりとした空気を感じながら波乱万丈だったアフリカの半年分の疲れを癒したい気持ちを抑えて、目の前の人生最大とも言える挑戦に向けてやらなければいけないことが山ほどある。
心地よい旅の風に吹かれながら過ごす日々はしばらく後になりそうだ。



■アコンカグア登山への準備

まずアコンカグア登山に向けて踏まなければいけないステップは大きく分けて三つある。

a.メンドーサにあるエージェンシーでサービスの申し込み
b.入山パーミットの取得
c.装備のレンタル


■️a.メンドーサにあるエージェンシーでムーラサービスの申し込み

aからいきなり「?」だが、アコンカグアは世界中から登山家が集まる山のため、様々なサービスが用意されている。
そのサービスを提供しているのは各エージェンシーであり、BC(ベースキャンプ)に宿泊できるサービスだったり、食事のサービスだったり、ガイド・ポーターサービスだったりが用意されている。
中でも、9割の登山客が利用するサービスとしてあげられるのが、「ムーラサービス」と呼ばれる荷上げサービスだ。

まずアコンカグアの簡単な地理を説明すると、


アコンカグア入場ゲート(2900m)
↓徒歩3時間
Confluencia(3400m)
↓徒歩8〜9時間
Plaza de Mulas(4300m/BC)
各ハイキャンプ
山頂(6962m)


のような具合になっている。
ムーラサービスは、登山客の荷物をムーラと呼ばれる馬とロバのハーフ(?)に積み、Plaza de Mulas、つまりベースキャンプまで運ぶというサービスだ。
このサービスを使うことによって、登山客はベースキャンプまで身軽な状態で登ることができる。
基本的に登山開始からBC到着まで3日間かかる。Confluenciaで高度順応を挟むのが一般的だからだ。
つまりこの三日分に必要なもの以外は全てムーラに積むことができる。
BC以降にしか必要にならないものは意外と多く、そして重い。
プラスチックブーツやクランポン、ダウン、ハイキャンプの食料、ガス。全て背負えば30kgは超える荷物が10kg以下に抑えられる。
さらに言ってしまえば、Confluenciaでエージェンシーが用意するテントのドミトリーに宿泊するサービスを利用すれば、テントすらもムーラに乗せることができる。
ConfluenciaからBCまでの道のりは20km弱。アコンカグア登山の最初の難所だ。8〜9時間掛かるこの長距離でしかも高度を一気に900mあげる。
ここで高山病になる人が多いそうだ。

このような体力的な利点と、もう一つ、金銭的な利点を享受することができる。
それが、入山パーミットの値下げ!
アコンカグアはおかしな金銭体系を取っているなあと不思議に思ったシステムが、エージェンシーで何かしらのサービスを利用すると入山パーミット料が安くなるというものだ。
2015−2016シーズンの場合、12月-1月ハイシーズンの料金が、$966のところなんと$800で済む。その差何と$166
そしてムーラサービスは$220。かなり高く見えるが、実際の所$166値下がっているので、実質$54で利用することができることになる。
プラスBCのエージェンシーのキャンプサイトにタダでテントが張れ、飲料水も自由に汲ませてもらえる。

今回自分が利用したエージェンシーは”INKA”という最大手の会社。
最大手ということで安心感もあるし、ConfluenciaやBCで展開されるサービス、スタッフの多さも他のエージェンシーの比にならないと感じた。

全部自力でやりたいといってムーラサービスに抵抗がある人もいるかもしれないが、どうせBC以降は自分で担いで登らないといけないし、ConfluenciaからBCに歩いている途中、ムーラサービス使わないとかマジで信じられないアホか、、、ってくらい辛かった。笑
BC以降、思う存分荷物の重さとキツさを味わうことができるので、BC行くまでで体力浪費して高山病になって思うように上に進めないということがないように、俺はこのサービスは絶対使うべきだと思った。

aのまとめ
・ムーラサービスを使おう!(INKAで申し込むのがオススメ!)
・ムーラに積める荷物は60kgまで$220(誰かとシェアできるならしたほうがいい)
・BCまで身軽でいける
・入山パーミット代が値下げされる
・BCのキャンプサイトで飲料水が無料で汲ませてもらえる(じゃないとそこらへんの川から汲んできて飲むことになる)

注:噂に聞いていた半ムーラサービス(30kgまでで$110というサービス)はない。




■b.入山パーミットの取得

入山パーミットは、前述の通り、ムーラサービスを使うか使わないかで値段が変わる。
サービスを使う場合、先にエージェンシーでムーラサービスを申し込み、ムーラ代金をその場で支払い、入山パーミット代金($800)の支払い用紙をもらう。
これを町中にある「Pago」という支払い窓口に持って行き、支払いのレシートと共に観光局に持っていくと、その場でパーミットを発行してもらえる。
ハイシーズンだから観光局はかなり混んでいるのかと思ったが、客は俺一人だった。
ちなみにPagoでは現金でのみ支払い可能。ドルでも支払い可能。(自分はペソで支払った。その方が闇両替で少しだけ得することができる。闇両替については後述)
観光局は平日のみ開館している。



■c.装備のレンタル

俺は町中のレンタル屋を歩き回り、質と金額を比較した。
そうしてたどり着いたのは、EL REFUGIOという他の人のブログにも多々登場していた店だった。
Independencia広場のすぐ横にあるので立地もよし。
入ってみると、ベテランの雰囲気がにじみ出るおっちゃんと、その息子と思しき青年が対応するレンタルスペース。
息子は英語が話せるし、おっちゃんは英語は話せないがおそらく山の経験豊富。これは必要か、これは要らないか、聞けば答えてくれる。
レンタル品の質も悪くない。が、めちゃくちゃ高い。他の人のブログで見ていた値段の倍はする。
南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜
アルゼンチンはこれまで闇両替という、旅人にとってはとてもありがたい習慣があったのだが、俺がアルゼンチン入りする少し前にアルゼンチン大統領が変わり、この闇両替というシステムが無くなる方向に進んでいる。

※闇両替:USドルに対し、公式レートよりも高いレートで両替をする非公式両替。警察黙認。アルゼンチン経済が崩壊寸前だったため、自国貨幣よりも安定しているドルを所持しておきたいことから生まれた。
例:例えば公式レートが1ドル10ペソのところ、闇両替だと1ドル15ペソだったりする。つまり100ドル両替すると、公式(1000ペソ)と闇(1500ペソ)で500ペソの差が出る。1ペソ約10円とするとその差5000円。
つまり大量にUSDを用意して入国すれば、その分闇両替で得することができる。

旅人にとってありがたいこのシステムがなくなってしまった。俺が入国した時には、公式レート$1=13.9ペソ、闇レート$1=14.36ペソ。

変わんねえええええええ!!!

アフリカで頑張ってドルを調達したのに。
しかもこの一年でアルゼンチンの物価は高騰しているらしい。
確かに、スーパーに売ってるポテチは500円以上するし、マックのセットは1000円以上。


バカなの?と思うくらいに馬鹿げた値段のもので溢れている。


レンタル品の値段も例にもれなかったみたいだ。
しかしここに出すお金はケチることは出来ない。命に直結するものだ。
が、本当に必要なものはどれか。手持ちの装備で代用できるものはないか、きちんと吟味する必要はある。

ちなみにこの店はキャッシュ払いオンリーであるため注意が必要。
というのも、メンドーサだけなのか、アルゼンチン全体なのかはわからないが、せっかくアフリカで用意した$1000以上が、パーミットやムーラの支払いでいきなりすっからかんになってしまったので、ATMで金を下ろそうとしたところ、手数料が84ペソ(800円くらい)、そして引き出せる上限が2000ペソ(20,000円くらい)と舐め腐った制限が存在した。
手持ちのドルとユーロをかき集めて両替しても、レンタル費用には届かない。
そういうわけで、俺は4回くらいに分け、金を引き出したのである、かかった手数料3000円以上。死ぬほど考えた抜いたがこれ以外に方法はなかった…
アコンカグアに登る人は外貨を最低でも$2000は用意した方がいい。
もしくはカードが切れるPireというレンタル屋でのレンタルをお勧めする。Pireはテントのレンタルがないのが欠点。


■️いざアコンカグア準備開始!準備の流れは。

準備の流れはざっとこんな感じだった。
①観光局へ出向き、レンタル屋・エージェンシーを紹介してもらう。
俺は何軒か紹介してもらい、その全てを歩き回り比較した結果、ネットで見つけた上記のエージェンシー、レンタル屋に落ち着いた。


②日程、ルートを決める
サービスに申し込むには、登山を始める日と、ルートを決めなければいけない。
ルートは二種類あり、特別な技術を必要としないノーマルルートとクライミング技術を必要とするポーランドルート。普通はノーマルルート。ポーランドルートを選択する人がいたらお目にかかりたい。


③INKAでムーラの申し込み
前述の通り、INKAの事務所でムーラを申し込み。
事前にメールで、これを記入して送ってねとフォームが送られてきて、それを送信してから申し込みに行った。
申し込みの時点で、入山日を決定しておかないといけない。
INKAのネーちゃんに脅かされ、Confluenciaの宿泊も申し込んでしまった。

「ここで疲れを癒さないと高山病になってウンタラカンタラ!!!!!!」

細木数子ばりの「言うこと聞かないと地獄に落ちるわよ」風な説得に負けてしまった。

がこれでテントを運ばなくて済む。
登山当日、ムーラの荷物を預ける時に必要なバウチャーと、入山パーミットの払込用紙をもらい完了!
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④入山パーミット支払い
指定されたPago(INKAで地図をもらえる)で支払う。


⑤入山パーミット取得
③で支払った時にもらうレシートと、INKAで作成してもらったフォームシート(メールで送ったフォームをまとめて印刷してもらったもの)を観光局へ持って行き、パーミットを発行してもらう。
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⑥装備のレンタル
前述のレンタル店には二回通った。
1回目で何が必要か、値段、レンタル品の品質を確認し、二回目に実際にレンタルをする。その方がスムーズで、「あれ、これってこんなにボロかったの・・・?」などのトラブルも無くなる。
まあこのレンタル屋で他のトラブル、しかもめちゃくちゃ大きな下手したら命に関わるトラブルが発生することになる。
それについては次回、アコンカグア登山編で。
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ここまで来たら手続き系の準備は完了。
あとは自分の装備を整えるだけだ。


⑦食材の買い出し
俺は大体15日間〜18日間くらい山にいることを想定して食材の買い出しを行った。
主食として米やパスタ、袋ラーメン。
便利だったのが、粉のポテト。お湯を沸かして粉を入れるだけでマッシュドポテトができる。便利だったものの大量に余ったが。。
それから粉ジュース。ノリで数袋買ったが、これは30袋くらい買っても良いくらい重宝すると思う。
山では1日何リットルもの水を飲まなければいけない。水だけがぶ飲みするのは結構辛いものがあるが、粉ジュースを水に溶かして飲めば美味しく飲むことができる。
しかも味もかなりうまい。もっと買っておけばよかったと後悔した一品。
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⑧パッキング
ムーラサービスを使う場合のパッキングの注意点は、ムーラに積む用と、BCまで自分で担ぐ用とに分けないといけない。
ムーラに積む荷物は、登山初日にPenitentesという場所でINKAのスタッフに渡す。そこからムーラがBCまで運ぶのだ。
俺はムーラに積むために借りたDuffle Bagに、プラスチックブーツやテント、クランポン、ダウン、ほとんどの食材、ガスetcを詰めた。
全て詰め終わったあとでダッフルバッグを持ってみた。

。。。。。。


これを持って20kmも、しかも高度を900m上げるなんて無理

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⑨身だしなみを整える
山で二週間以上を過ごすのに俺の身なりは適していない。

そう、このロン毛だ。

最後に丸坊主にしたのが1年以上前、ちょうどエベレストトレッキングに向かう直前だ。
エベレストトレッキングを機に沸き起こったアコンカグアへの憧れとともに伸びた髪の毛を切る時が来たようだ。

アコンカグアへ出発する前日、メンドーサに何軒もある理髪店に適当に入った。

「いくらですか?(頭をちょきちょきするジェスチャー)」
「80ペソよ(800円ほど)」
「おねしゃす」

というわけで、海外に出て初の店カット!


辞書アプリを駆使しながら、

「こことここはがっつりいっちゃって、ここはサイドよりもちょっとだけ長く残して、あ、でも短くは短くで、、」

と店のお兄さんに指示をする。
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バリカンをヴィーーーン!と起動させ、豪快に伸びた髪を刈り落としていく。
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残ったトップはハサミを豪快に入れて豪快にちょきちょき。
ちょっと豪快すぎて髪の毛引っかかって痛い。
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そして完成したのがこれ。








南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜







ただの角刈り!!!
お兄さんドヤ顔!

まあ自分でやると意外と大変だし、後始末とかめちゃくちゃめんどくさいし、ものの10分でさっぱりしたので良しとする。

もう何泊もしている宿に帰ると、いろんな人から、「あ!髪切ったんだね!いいじゃん!!!」という声をもらって一安心。
この宿は本当にスタッフも、泊まっている人も、人懐っこいフレンドリーな人ばかりだ。アルゼンチンの宿はどこも楽しい。
ただし、前述の通り、この宿にまた泊まるかと言われれば、うーーーーーーん。

その理由は、、、


ある日から急激に体が痒くなった。蚊かよ、あー痒い。
いや待て。蚊がいたら必ず一回は耳元にプーンと来るはず。でもそんな音は一度も聞いていない。
同時期に同じ宿に泊まっていた別の日本人の人と話していると、その人も何かに刺されて痒いらしい。
ここが痒くてさー、とその場所を見せてもらうと、、、、
典型的な南京虫の噛み跡
やっぱりそっちか。。。

その晩も気が狂うほどの痒みに襲われ、違和感を感じた足元を携帯ライトで照らしてみた。

南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜

...奴が。。。いたよ。。。


やっぱりか。。。
そのまま深夜のレセプションに行き、ベッドバグがいたことを伝えると、その日の夜は使われていないプライベートルームで寝かせてくれた。
そして次の日部屋を移動。別のベッドに変えてもらった。


その晩。















うああああああぁぁぁぁぁぁぁ痒い!!!!!!!!!












(携帯ライトピカ)














南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜



また出たああああああああああ!!!!しかも今回のは特大!5mm以上はある。しかも発見したのは枕の上。顔と耳をやられ、耳はパンパンに腫れて痛痒かった。
二日連続で深夜にレセプションに訴え、その日は共有スペースのソファーで寝た。そして次の日、プライベートルームに移動した。
結果、プライベートルームでパッキングできたから良しとしたけど、あれ以来少しでもムズっとするとすぐに携帯のライトで照らしてしまう癖がついた。

この宿はベッドバグを飼育でもしているのか。。





⑩心の準備をする
出発前夜、パッキングに追われながらも、数時間後から始まる登山に想いを馳せていた。
興奮と緊張で全然寝ることができない。

どんな景色が広がっているのだろうか。7000m級の山からはどんな世界が見えるのだろうか。
7000mの頂上までどのように到達するのか。どんなに辛い時間になるのか。無事に下山できるのか。地獄のようであろう苦しさを乗り越えられるのか。そもそも俺のような素人が登れるのか。

楽しみだという気持ちより、どうなるのだろうかという未知に対する不安の方が正直大きい。





それでもこの時の俺は、山頂にいる自分しか想像できなかった。


絶対に登頂してみせる。
登頂しなくちゃいけないんだ。


西アフリカを陸路で繋ぐという挑戦を果たすことができなかった。
陸路が断たれたあの時、コンゴで流した涙を絶対に忘れない。
アコンカグアへの挑戦は絶対に達成しないといけないんだ。



今までの旅路を回想しながら、自分を奮い立たせ、手の届かないと思っていた山に登るという非現実感を抱きしめた。



1年以上前から憧れ続けてきた山に挑戦できることを幸せに思う。

楽しもう。悔いの残らないように。


そして絶対に、6962mの頂にこの足で立とう。


南米最高峰アコンカグア挑戦記 〜準備編〜









アコンカグア登山費用・装備詳細

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
〜費用〜
入山パーミット:$800
ムーラサービス(行き):$220
ムーラサービス(帰り):$50(山で出会った日本人とシェア。通常は$220)
INKA申し込み手数料:$10
コンフレンシア宿泊:$100(軽食、夕食、朝食、昼食込み)
装備レンタル:10,010ペソ(100,000円弱)
食料:660ペソ(6000円強)
購入装備品:2340ペソ(20,000円強:ガスストーブ,ガス缶ロング×2,ハーフ×3,インナーグローブ,鍋,ヘッドランプ,トレッキング用靴下)

合計:26万円以上



〜持っていく装備〜
■レンタル品
・ダッフルバッグ(ムーラ用バッグ)
・プラスチックブーツ
・ダウンジャケット
・テント
・マットレス
・クランポン
・サングラス
・ダウングローブ
・寝袋(−40℃)

※以上全て使用。使わなかったものなし。


■私物(購入したものも含む)
・ヒートテック×2
・ヒートテックタイツ×1
・靴下×3
・パンツ×2
・Tシャツ×2
・フリース
・ウルトラライトダウン
・チノパン
・スウェット(下)
・NorthFaceジャケット(モンゴルで購入)
・NorthFaceトレッキング用パンツ(ネパールで購入)
・ニット帽
・トレッキングシューズ(ネパールで購入。ソール剥がれかかり。)
・トレッキングポール
・タオル
・マッチ
・ライター
・ガス缶(ロング×2、ハーフ×3)
・ガスストーブ
・薬(ダイアモクス、メンターム、ロキソニン、下痢止めetc)
・ヘッドライト
・インナーグローブ
・鍋
・スプーン、フォーク
・タンブラー
・Ipod
・ノート、ペン
・予備電池
・地図
・食料
・一眼レフ
・GoPro
・大きい丈夫目なビニール袋(雪を集めるのに必要)
・南京錠
・トイレットペーパー3ロール

■忘れたけど絶対に持っていくべきもの
・日焼け止め
・空のペットボトル(水を汲んで飲むのに必要。6L分くらいあるとgood。)


〜持っていく食料〜
・米1kg
・パスタ1.5kg
・粉ポテト×6
・袋ラーメン×8
・スープ×3
・調味キューブ×2
・調味粉×2
・粉ジュース×7
・紅茶×1
・砂糖500g
・クラッカー642g
・バニラスティック(お菓子)
・クッキー×9
・クッキー大袋×1
・板チョコ×4
・塩
・ほんだし

紅茶・砂糖は今考えるとかなり必須アイテムだった。
粉ジュースは30くらいあってもいい。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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2016/02/09

トーゴ国境で入国拒否!ブードゥーマーケットが佇む西アフリカの楽園、ロメ

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2016/05/21

南米最高峰アコンカグア登山の記録 〜登山編1〜

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COMMENT

maruo_haas

はじめまして。

来年の1月頃にアコンカグア登頂をしようと思っていて、
ネットで勉強している者です。

装備のところで大変気になったのですが、
ヒートテックやウルトラライトダウンは
ユニクロの製品ですか?
それともmont-bellとかAconcaguaのような
登山用品メーカーの製品でしょうか?

返信 REPLY

2016-02-21 22:48:25

Kei

こんにちは、はじめまして。コメントありがとうございます!
ヒートテックもウルトラライトダウンも日本で購入したユニクロ製のものです。これで充分快適でした!
次の記事で実際の登山の時の様子を書こうと思うのでそちらもよければ見てみてください。
準備を万端にして、素晴らしい登山になることを願ってます!

返信 REPLY

2016-02-27 10:25:12


maruo_haas

日本の山は湿度が高いのでユニクロのヒートテックは
厳禁なんですが、やっぱり海外の山はすごく乾燥している
のでヒートテックでも大丈夫なのかもしれませんね。

他の方のブログでも日焼け止めは必要だと
みたことがあるんですが、シャワーが無い環境で
日焼け止めを塗るのは辛そうですね・・

次回以降の記事、期待してます!

返信 REPLY

2016-02-28 22:08:05

KEI

日本の山ではヒートテックダメなんですね!
初めて知りました。確かにかなり乾燥してましたね。。

日焼け止めも毎日顔が真っ白になるくらい塗っているのに流しもせずに次の日またその上に塗る日々でしたね笑

ありがとうございます、次回の記事も見てください!

返信 REPLY

2016-02-29 00:55:25


G

懐かしい。かつて住んでいたところ、行ったところの最近の写真を見ることができました。
ありがとう。
くれぐれもお気をつけてください。
無事に帰国できますことを切にお祈りしています。

返信 REPLY

2016-03-02 12:32:26

KEI

Gさん初めまして。コメントありがとうございます!
メンドーサに住まれていたのですか?
ブログを読んでいただけて嬉しいです。これからも暇な時にでも覗いてみてください。ありがとうございます。

返信 REPLY

2016-03-04 11:44:34


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